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| タイガース列車殺人事件 |
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目の前に中年の男がうつ伏せに倒れていた。
背中には出刃包丁が根元まで刺さっていた。誰の目にも既に息絶えていることは明らかだった。
道夫は大きく息を突くと「どうしたんですか?」
娘は道夫の方を振り返った。
「ウム」道夫は思わず息を呑んだ。「なんて可愛いんだ」
「おい 何をボケッとしてるんだ」
「おお〜」豊に肩を叩かれ道夫は我に返った
道夫はあわてて倒れている初老の男を抱きかかえ、
「誰か 速く救急車を 救急車を呼んでくれ〜」
「もうとっくに車掌が連絡しているよ」
豊に言われて、
「それもそうだな〜 俺達は前の車両から来たんだからな〜」
列車が最初の駅、下山に停車すると同時に、赤ら顔の見るからに頼りなさそうな刑事が乗り込んできた。
「お嬢さん あなたが最初に発見したんですか」
「はい・・・。」
刑事は、名前を浜田権作と言い、歳は五十九才で定年を間近に控えていた。
「君は・・・」
浜田は道夫の方を向いて言った。
「あっ 僕ですか」
「僕は探偵です。と言っても 探偵志望ですが 宮田道夫といいます。」 |
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-2- |
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| タイガース列車殺人事件 |
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「お〜い 豊 早くしろ 列車が出てしまうぞ」
道夫と豊は大のタイガースファン、念願のタイガースキャンプの応援に安芸に来ていた。
「フー 間に合った。二月だと言うのになんて暖かいんだ。」
やっとのことで追いついた豊は既に汗だくだった。
何しろ体重が有に百キロを超えているのだから
「本当に 暖かいな〜」
道夫は豊と違って、身長は百八十センチ有りながら体重は五十キロにも満たないガリガリだったが、
彼らは北海道に住んでいるのだから高知の二月は別世界に感じるのも無理はない。
彼らが乗り込んだのは、この年開通したばかりの安佐線でタイガースのキャンプ期間だけ運行されるタイガース列車だった。
二両編成で、七、八十人で満席になってしまうオープンデッキの特別列車だった。
安芸駅を出発して四、五分もたっただろうか
「キャー」
後ろの車両で若い女性の悲鳴が聞こえた。
道夫は、満員の社内で乗客をかき分け後ろの車両に向かった。
どんなハプニングにも首を突っ込みたがる性格だった。
豊も道夫の後ろから太った体をのっそのっそと運んだ
やっとの思いで、声の張本人らしい娘の側にたどりつくと、 |
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